かきくらす心の闇に惑ひにき
夢うつつとは世人定めよ
- 歌の意味
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真っ暗に閉ざされた心の闇の中で、私も迷ってしまった。夢か現実かは、世の人が決めてくれ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 646
詞書「返し」
前歌の斎宮の歌への業平の返歌である。夢か現実かと問われたのに対し、自分も恋の闇に心が乱れて判断がつかない、夢か現実かは世間の人が決めてくれと返している。相手の問いを受け止めつつ、自分も同じように惑っていることを告げ、禁じられた恋に溺れる二人の心を重ねている。
作者の「なりひらの朝臣」は在原業平である。阿保親王の五男で、六歌仙、三十六歌仙の一人である。
『伊勢物語』第六十九段では結句が「今宵定めよ」となっており、今夜もう一度逢って確かめようと誘う形になっている。
初句「かきくらす」は、空を暗くする、の意から、心が真っ暗になることを表す。
二句「心の闇に」は、恋に迷って分別を失った心の状態をいう。
三句「惑ひにき」は、迷ってしまった、の意で、完了「ぬ」と過去「き」で言い切る三句切れである。
四句「夢うつつとは」は、前歌の「夢かうつつか」を受け、夢か現実かということは、の意である。
結句「世人定めよ」は、世間の人が決めよ、の意で、命令形で突き放すように結ぶ。
かきくらす:空を暗くする、心を暗くする
よひと:世間の人
- 作者
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在原業平
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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君や来し我や行きけむ思ほえず 夢かうつつか寝てか覚めてか
- 次の歌
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むばたまの闇のうつつはさだかなる 夢にいくらもまさらざりけり