君が名も我が名も立てじ難波なる
みつとも言ふなあひきとも言はじ
- 歌の意味
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あなたの評判も私の評判も立てまい。難波の御津ではないが、私を見たとも言わないでくれ。網引きではないが、私も逢ったとは言うまい。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 649
詞書「題しらず」
あなたの名も私の名も立てないように、逢ったことは互いに口外しないでおこうと詠む歌である。難波の地名の御津と見つ、網引きと逢ひきを掛け、海辺の縁語で固めながら、秘密の恋を守る約束を言い交わしている。
作者は「よみ人しらず」とあり、名は伝わっていない。
ここから、恋が人に知られないよう秘めることを詠む歌が続く配列である。
初句「君が名も」は、あなたの評判も、の意で、二句の「我が名も」と対をなす。
二句「我が名も立てじ」は、私の評判も立てまい、の意で、打消意志の「じ」で言い切る二句切れである。
三句「難波なる」は、摂津の難波にある、の意で、次の「みつ」を導く。
四句「みつとも言ふな」は、御津と見つを掛けた掛詞で、見たとも言うな、と禁止する。
結句「あひきとも言はじ」は、網引きと逢ひきを掛けた掛詞で、逢ったとも言うまい、の意である。四句と対をなし、「難波」「御津」「網引き」は海の縁語である。
みつ:難波の港の御津の意と、見たの意の見つを掛ける
あひき:網を引く網引きの意と、逢ったの意の逢ひきを掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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さ夜ふけて天の門渡る月影に 飽かずも君をあひ見つるかな
- 次の歌
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名取川瀬々のむもれ木あらはれば いかにせむとかあひ見そめけむ