- 歌の意味
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吉野川の水の流れが速いように、私の心がどんなにはやっても、滝の音のように、人に聞こえる噂には立てまいと思う。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 651
詞書「題しらず」
吉野川の急流のように恋心がはやっても、滝の音のように人に知られる噂にはするまいと詠む歌である。激しい恋心を急流にたとえながら、それを表に出さずに秘めようとする決意を表している。
作者は「よみ人しらず」とあり、名は伝わっていない。
前歌に続いて川を詠み、秘めた恋を守ろうとする歌が続く配列である。
初句「吉野川」は、大和の歌枕で、流れの速い川として詠まれる。
二句「水の心は」は、水の流れの勢いに、自分の心を重ねる表現である。
三句「早くとも」は、速くても、の意で、逆接の仮定条件を示す。
四句「滝の音には」は、滝の音のように人に聞こえる形では、の意で、噂が広まることのたとえである。
結句「立てじとぞ思ふ」は、立てまいと思う、の意で、打消意志の「じ」と係助詞「ぞ」を連体形「思ふ」で結ぶ係り結びである。
たき:急流、激しく流れる川瀬
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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名取川瀬々のむもれ木あらはれば いかにせむとかあひ見そめけむ
- 次の歌
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恋しくは下にを思へ紫の 根摺りの衣色に出づなゆめ