花すすきほに出でて恋ひば名を惜しみ
下結ふ紐の結ぼほれつつ
- 歌の意味
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花すすきが穂を出すように、表に出して恋をしたら評判が惜しいので、下に結んだ紐が固く結ばれるように、心がふさいで晴れないままでいる。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 653
詞書「題しらず」
花すすきが穂を出すように恋を表に出せば評判が立つのが惜しく、下紐が固く結ばれるように、思いが心の内でふさがったままだと詠む歌である。「ほ」に穂と表を掛け、下紐の結ぼれに晴れない心を重ね、表に出せない恋の苦しさを表している。
作者の「をののはるかぜ」は小野春風である。小野石雄の子で、武官として元慶の乱の鎮定に功があったとされる。
初句「花すすき」は、穂の出たすすきで、「ほ」を導く。
二句「ほに出でて恋ひば」は、穂と表を掛けた掛詞で、表に出して恋をしたならば、の意である。
三句「名を惜しみ」は、評判が立つのが惜しいので、の意で、接尾語「み」が理由を示す。
四句「下結ふ紐の」は、下着の紐を結ぶ、の意で、「結ぼほる」を導く。
結句「結ぼほれつつ」は、紐が固く結ばれることと、心がふさいで晴れないことを重ね、反復継続の「つつ」で止めて余韻を残す。
ほ:すすきの穂の意と、表に出る意の秀を掛ける
むすぼほる:紐が固く結ばれる、心がふさいで晴れない
したひも:下着の紐
- 作者
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小野春風
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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恋しくは下にを思へ紫の 根摺りの衣色に出づなゆめ
- 次の歌
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思ふどちひとりひとりが恋ひ死なば 誰によそへて藤衣着む