笹の葉に置く初霜の夜を寒み
しみはつくとも色に出でめや
- 歌の意味
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笹の葉に置く初霜が、夜が寒いので凍りつくように、恋心が深く心に染み付いたとしても、笹の葉が色を変えないように、どうして表に出したりしようか。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 663
詞書「題しらず」
笹の葉に置いた初霜が夜の寒さで凍りつくように、恋心が深く染み付いても、決して表には出すまいと詠む歌である。「しみ」に凍みと染みを掛け、常緑の笹の葉が霜にも色を変えないことに、表に出さない恋の決意を重ねている。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。『古今和歌集』の撰者の一人で、三十六歌仙の一人である。
前歌に続く躬恒の歌で、第六百六十一首の友則の「色には出でじ」と同じく、恋を色に出すまいとする歌が続く配列である。
初句「笹の葉に」は、常緑の笹の葉を示し、霜が置いても色を変えないものとして詠まれる。
二句「置く初霜の」は、その冬初めて置く霜の、の意である。
三句「夜を寒み」は、夜が寒いので、の意で、接尾語「み」が理由を示す。ここまでが「しみ」を導く序詞となる。
四句「しみはつくとも」は、凍みと染みを掛けた掛詞で、霜が凍りつくことと、恋心が心に染み付くことを重ねる。
結句「色に出でめや」は、どうして表に出そうか、いや出さない、の意で、推量「む」の已然形「め」に反語の「や」が付いた形である。
しむ:凍りつく意の凍むと、心に深く染み込む意の染むを掛ける
いろにいづ:思いが顔色や態度に表れる
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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冬の池に住むにほ鳥のつれもなく そこに通ふと人に知らすな
- 次の歌
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山科の音羽の山の音にだに 人の知るべく我が恋ひめかも