山科の音羽の山の音にだに
人の知るべく我が恋ひめかも
- 歌の意味
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山科の音羽山の名のように、噂の音としてさえ、人が知るような恋をどうして私がするだろうか。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 664
詞書「題しらず」
山科の音羽山の「音」の名にちなみ、噂としてさえ人に知られるような恋はしないと詠む歌である。上の句の地名で「音」を導き、決して恋を人に知られまいとする決意を反語で強く表している。
作者は「よみ人しらず」とあり、名は伝わっていない。左注に「この歌、ある人、近江の采女のとなむ申す」とあり、近江の采女の作とする説がある。
初句「山科の」は、山城の国の地名で、次の「音羽の山」を導く。
二句「音羽の山の」は、山科にある音羽山のことで、「音」を同音で導く。ここまでが序詞となる。
三句「音にだに」は、噂としてさえ、の意で、副助詞「だに」が最小限の例を示す。
四句「人の知るべく」は、人が知るように、の意である。
結句「我が恋ひめかも」は、どうして私が恋をしようか、いやしない、の意で、推量「む」の已然形「め」に反語の「かも」が付いた形である。
おと:噂、評判
うねめ:地方の豪族から宮中に奉られ、天皇の食事などに奉仕した女性
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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笹の葉に置く初霜の夜を寒み しみはつくとも色に出でめや
- 次の歌
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満つ潮の流れひるまを逢ひがたみ みるめの浦によるをこそ待て