池に住む名ををし鳥の水を浅み
隠るとすれどあらはれにけり
- 歌の意味
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池に住むおしどりが、水が浅いので隠れようとしても姿が見えてしまうように、評判を惜しんで隠そうとしたけれど、恋は人に知られてしまった。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 672
詞書「題しらず」
池のおしどりが浅い水に隠れようとしても姿が見えてしまうように、評判を惜しんで恋を隠そうとしたが、知られてしまったと詠む歌である。「をし」に名を惜しと鴛鴦を掛け、仲睦まじい鳥の代表であるおしどりを用いて、隠しきれない恋を表している。
作者は「よみ人しらず」とあり、名は伝わっていない。
本巻の第六百六十二首の「冬の池に住むにほ鳥」が水の底に潜って恋を隠そうとしたのに対し、本歌の「池に住む」おしどりは水が浅くて隠れきれず、池の水鳥の比喩で対照をなしている。
初句「池に住む」は、池に住む、の意で、第六百六十二首の二句と同じ趣向である。
二句「名ををし鳥の」は、惜しと鴛鴦を掛けた掛詞で、評判を惜しむことと、おしどりを重ねる。
三句「水を浅み」は、水が浅いので、の意で、接尾語「み」が理由を示す。
四句「隠るとすれど」は、隠れようとするけれども、の意で、逆接で下へ続く。
結句「あらはれにけり」は、現れてしまった、の意で、完了「ぬ」と詠嘆の「けり」で結ぶ。
をし:評判を惜しむ意の惜しと、鳥の鴛鴦を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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風吹けば波打つ岸の松なれや ねにあらはれて泣きぬべらなり
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逢ふことは玉の緒ばかり名の立つは 吉野の川のたぎつ瀬のごと