心をぞわりなきものと思ひぬる
見るものからや恋しかるべき
- 歌の意味
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心というものを、道理に合わないものだと思ったことだ。逢っているのに、恋しく思うはずがあろうか。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 685
詞書「題しらず」
相手と逢っていながらなお恋しく思う自分の心を、道理に合わないものだと不思議がる歌である。恋心を理屈で捉えようとしてとらえきれない戸惑いが、自問の形で表されている。
巻頭の第六百七十七首の「かつ見る人に恋ひやわたらむ」と同じく、逢いながら恋しいという心を主題としており、巻頭の趣向を理屈の側から捉え直している。
作者の「ふかやふ」は清原深養父である。清少納言の曽祖父にあたり、内匠允などを務めた。琴の名手としても知られる。
初句「心をぞ」は、自分の心をの意で、係助詞「ぞ」が三句の「ぬる」と係り結びをなす。
二句「わりなきものと」は、道理に合わないもの、どうしようもないものとの意である。
三句「思ひぬる」は、思ったことだの意で、完了の「ぬ」の連体形で「ぞ」の結びとなり、ここで句切れとなる。
四句「見るものからや」の「ものから」は、…のにの意の逆接の接続助詞で、逢っているのにの意となる。
結句「恋しかるべき」は、恋しいはずがあろうかの意で、四句の「や」を受けて連体形で結ぶ係り結びである。
みる:男女が逢う、契りを結ぶ
- 作者
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清原深養父
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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春霞たなびく山の桜花 見れどもあかぬ君にもあるかな
- 次の歌
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かれはてむ後をば知らで夏草の 深くも人の思ほゆるかな