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思ふてふ言の葉のみやあきを経て
色も変はらぬものにはあるらむ

歌の意味
「あなたを思う」という言の葉だけが、秋を経て木の葉が色づくように心が飽きた後も、色の変わらないものなのだろうか。
鑑賞
巻第十四 恋歌四 688

詞書「寛平御時后の宮の歌合の歌」
 秋になれば木の葉は色を変えるのに、「思う」という言葉だけは変わらないと、心変わりした相手の言葉の空しさを皮肉った歌である。「言の葉」を木の葉に見立て、「秋」に「飽き」を掛けることで、変わらない言葉と変わってしまった心との落差を浮かび上がらせている。
 詞書の「寛平御時后の宮の歌合」は、宇多天皇の御代に母后の班子女王のもとで催された歌合で、本巻の第七百十五首も同じ歌合の歌である。

 初句「思ふてふ」は、「思う」というの意で、「てふ」は「といふ」のつづまった形である。
 二句「言の葉のみや」は、言葉だけがの意で、「言の葉」を木の葉に見立て、係助詞「や」が結句の「らむ」と係り結びをなす。「言の葉」は本巻の第七百十二首、第七百三十六首、第七百三十七首にも詠まれる。
 三句「あきを経て」の「あき」は、季節の「秋」と心が離れる「飽き」を掛けた掛詞である。
 四句「色も変はらぬ」は、紅葉しない葉の色と、言葉の変わらなさを重ねている。
 結句「ものにはあるらむ」は、ものであるのだろうかの意で、現在推量の「らむ」の連体形で二句の「や」を受けて結ぶ。

ことのは:言葉。木の葉に見立てていう
あき:季節の秋の意と、飽きて心が離れる意の飽きを掛ける
うたあはせ:歌人を左右に分け、詠んだ歌の優劣を競う催し
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
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飛鳥川淵は瀬になる世なりとも 思ひ初めてむ人は忘れじ
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