宮城野のもとあらの小萩露を重み
風を待つごと君をこそ待て
- 歌の意味
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宮城野の根元がまばらな小萩が、露が重いので、それを吹き払ってくれる風を待つように、私はあなたを待っているのだ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 694
詞書「題しらず」
宮城野の小萩が重い露を払ってくれる風を待つように、つらい思いを払ってくれる恋人の訪れを待つと詠んだ歌である。露に涙を、風に訪れる人を重ね、待つ身のつらさを萩の姿に託している。
第六百八十九首から続く「待つ」の一連の結びにあたる歌で、「君をこそ待て」と待つ心をはっきりと言い切って一連を閉じている。
初句「宮城野の」は、陸奥国宮城郡(現在の仙台市付近)の野で、萩の名所として知られる歌枕である。
二句「もとあらの小萩」は、根元の葉がまばらな小さな萩をいう。
三句「露を重み」は、露が重いのでの意で、「名詞+を+形容詞の語幹+み」の形で原因を表す。露には涙のイメージが重ねられており、六音の字余りの句である。
四句「風を待つごと」は、露を払う風を待つようにの意で、ここまでが結句の比喩となる。
結句「君をこそ待て」は、あなたをこそ待っているの意で、係助詞「こそ」を「待つ」の已然形「待て」で結ぶ係り結びである。
こはぎ:小さな萩。宮城野の萩は歌枕として名高い
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
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君来ずは閨へも入らじ濃紫 我が元結に霜は置くとも
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あな恋し今も見てしか山がつの 垣ほに咲ける大和なでしこ