敷島や大和にはあらぬ唐衣
ころも経ずして逢ふよしもがな
- 歌の意味
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大和の国のものではない唐衣の「ころも」ではないが、時を経ずに、すぐにでもあなたに逢う方法があればよいのに。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 697
詞書「題しらず」
日を置かずにすぐにでも逢いたいという思いを、唐衣の「ころも」と「頃も」の音の重なりによって詠んだ歌である。「敷島の大和」ではない異国の「唐衣」を持ち出し、序詞の技巧によって調子よく思いを導いている。
結句「逢ふよしもがな」は、本巻の第六百八十三首の「あくよしもがな」と同じ句形で、逢うことそのものを求める思いを表している。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。紀望行の子で、古今和歌集の撰者の一人として仮名序を執筆し、土佐守を務めたのちに「土佐日記」を著した。
初句「敷島や」は、大和にかかる枕詞である。
二句「大和にはあらぬ」は、日本のものではないの意で、三句の「唐衣」を導く。
三句「唐衣」は、中国風の衣をいい、ここまでが同音の四句「ころも」を導く序詞である。
四句「ころも経ずして」は、時を経ずにの意で、「ころも」は時分の意の「頃」に係助詞「も」が付いた形であり、三句の「衣」と同音を重ねている。
結句「逢ふよしもがな」は、逢う手段があればよいのにの意で、願望の終助詞「もがな」で結ぶ。
からころも:中国風の衣服
ころ:時分、ころあい
よし:方法、手段
- 作者
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紀貫之
- 出典
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古今和歌集
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