絶えずゆく飛鳥の川のよどみなば
心あるとや人の思はむ
- 歌の意味
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絶えず流れていく飛鳥川がよどんだならば、何かわけがあってのことかと人は思うだろうか。私の通いが途絶えたなら、ほかに心を寄せる人があるのかとあの人は思うだろうか。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 720
詞書「題しらず」
絶えず流れる飛鳥川がよどめば人が不審に思うように、これまで絶えず通っていた自分の訪れが滞れば、ほかに心を寄せる人ができたと相手は思うだろうかと案じる歌である。流れ続ける川の姿に、変わらず続けてきた恋の通いを重ねている。
作者は原文で「よみ人しらず」とされるが、一説に「なかとみのあつま人」とされ、左注に「この歌、ある人のいはく、中臣東人が歌なり」とある。中臣東人は奈良時代の官人とされるが、この歌との関わりは明らかでない。
次歌の第七百二十一首は「淀川のよどむ」と同じく川のよどみを詠んで対をなし、本巻の第六百八十七首の「飛鳥川」とも川の趣向で呼応している。
初句「絶えずゆく」は、絶え間なく流れていくの意で、途切れずに続いてきた通いをたとえている。
二句「飛鳥の川の」は、大和国の飛鳥川で、流れが変わりやすいことで知られる歌枕である。
三句「よどみなば」は、よどんだならばの意で、完了の「ぬ」の未然形に「ば」が付いた仮定条件であり、通いが滞ることをたとえている。
四句「心あるとや」は、何かわけがある、ほかに心を寄せる人があるとの意で、係助詞「や」が結句の「む」と係り結びをなす。
結句「人の思はむ」は、あの人は思うだろうかの意で、推量の「む」の連体形で四句の「や」を受けて結ぶ。
よどむ:水の流れが滞る。物事が滞る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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忘れなむ我を恨むな郭公 人のあきにはあはむともせず
- 次の歌
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淀川のよどむと人は見るらめど 流れて深き心あるものを