思ふよりいかにせよとかあき風に
なびく浅茅の色ことになる
- 歌の意味
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これほど深く思っているのに、この上どうせよというのか。秋風になびく浅茅の色が変わるように、あの人の心は私に飽きて変わってしまった。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 725
詞書「題しらず」
深く思っている自分をよそに、秋風になびく浅茅の色が変わるように相手の心が変わってしまったことを嘆く歌である。「あき」に「秋」と「飽き」を掛け、飽きられて心変わりされたことを、色の変わる浅茅の姿に託している。
本巻の第七百二十三首の「色深く」に対し、ここでは相手の心の「色」が変わることが詠まれ、次歌の第七百二十六首の「千々の色に移ろふ」へと続いていく。「あき」の掛詞は本巻の第六百八十八首、第七百十九首にも見られる。
初句「思ふより」は、これほど思っているのにの意で、自分の思いの深さを示す。
二句「いかにせよとか」は、どうせよというのかの意で、係助詞「か」が結句の「なる」と係り結びをなす。
三句「あき風に」の「あき」は、季節の「秋」と、心が離れる「飽き」を掛けた掛詞である。
四句「なびく浅茅の」は、風になびく丈の低い茅をいい、秋には色が変わるものとして詠まれる。
結句「色ことになる」は、色が変わってしまうの意で、「こと」は「異」であり、相手の心変わりをたとえている。二句の「か」を受けて連体形で結ぶ。
あさぢ:丈の低い茅
あき:季節の秋の意と、飽きて心が離れる意の飽きを掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れむと思ふ我ならなくに
- 次の歌
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千々の色に移ろふらめど知らなくに 心し秋の紅葉ならねば