千々の色に移ろふらめど知らなくに
心し秋の紅葉ならねば
- 歌の意味
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あの人の心は、さまざまな色に移り変わっているのだろうが、私にはわからない。心は秋の紅葉ではないので、目に見えないのだから。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 726
詞書「題しらず」
相手の心は紅葉のようにさまざまに色を変えているのだろうが、心は目に見える紅葉ではないので知るすべがないと嘆く歌である。紅葉の色の移ろいを心変わりにたとえつつ、見えない心への不安を理知的に表している。
前歌の「色ことになる」を受け、心の「色」の移ろいを紅葉にたとえている。本巻の第七百十四首の「秋風に山の木の葉の移ろへば」とも、紅葉と心変わりを重ねる点で響き合う。
初句「千々の色に」は、さまざまな色にの意で、紅葉の色の多彩さを示す。六音の字余りの句である。
二句「移ろふらめど」は、移り変わっているのだろうがの意で、現在推量の「らむ」の已然形に逆接の「ど」が付いた形である。
三句「知らなくに」は、私にはわからないのにの意で、ここで句切れとなる。
四句「心し秋の」は、心は秋のの意で、「し」は強意の副助詞である。
結句「紅葉ならねば」は、紅葉ではないのでの意で、三句の理由を倒置して述べている。
ちぢ:数の多いこと、さまざま
うつろふ:色が変わる。心が変わる
もみぢ:秋に木の葉が色づくこと。またその葉
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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思ふよりいかにせよとかあき風に なびく浅茅の色ことになる
- 次の歌
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海人の住む里のしるべにあらなくに うらみむとのみ人の言ふらむ