- 歌の意味
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明け方の鴫は羽をしきりにかく。百回も羽をかくほどだ。だが、あなたが来ない夜は、私こそが寝られずに数を書きつけるのだ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 761
詞書「題しらず」
明け方に鴫がしきりに羽づくろいをする回数よりも、恋人が来ない夜に自分が書きつける数のほうが多いと詠む歌である。「かく」の音を重ねて調子を整え、眠れずに夜を過ごす嘆きを軽やかな言葉遊びの中に表している。
初句「暁の」は、夜明け前のまだ暗い時分で、恋人が帰っていく時刻でもある。
二句「鴫の羽がき」は、鴫が嘴で羽をしごくことで、明け方に鴫がしきりに羽づくろいをすると考えられていた。
三句「百羽がき」は、百回も羽をかく意で、回数の多さを誇張する。「羽がき」を重ねて律動を生んでいる。
四句「君が来ぬ夜は」は、あなたが来ない夜はの意で、鴫の景から自分の嘆きへと転じる。
結句「我ぞ数かく」は、係助詞「ぞ」を連体形「かく」で結ぶ。数をかくとは、来ない夜の数を書きつけるとも、眠れずに寝返りを打つ回数を数えるとも解される。「かく」を三たび重ねた点に趣向がある。
はねがき:鳥が嘴で羽をしごいて整えること
ももはがき:百回も羽がきをすること
かずかく:数を書きしるす
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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あひ見ねば恋こそまされ水無瀬川 何に深めて思ひそめけむ
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玉かづら今は絶ゆとや吹く風の 音にも人の聞こえざるらむ