夢にだに逢ふこと難くなりゆくは
我や寝を寝ぬ人や忘るる
- 歌の意味
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せめて夢の中でさえ逢うことが難しくなっていくのは、私が眠れずにいるからなのか、それともあの人が私を忘れてしまったからなのか。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 767
詞書「題しらず」
夢の中でさえ恋人に逢えなくなってきた理由を、自分が眠れないせいか、相手が忘れたせいかと二つに分けて問う歌である。当時は相手が自分を思うと夢に現れると考えられており、夢で逢えないことは相手の心変わりを意味しかねない不安を含んでいる。前歌の「夢路」を受けて夢の歌が続く。
初句「夢にだに」は、「だに」がせめて〜だけでもの意で、現実はもちろん夢でさえもという気持ちを示す。
二句「逢ふこと難く」は、逢うことが難しくの意で、三句の「なりゆく」に続き、だんだん逢えなくなっていく変化をいう。
三句「なりゆくは」は、次第にそうなっていくのはの意で、下の句で理由を二つ挙げる。
四句「我や寝を寝ぬ」は、「寝を寝」が眠るの意で、「や」は疑問の係助詞、「ぬ」は打消の連体形で結ぶ。私が眠らないからかと問う。
結句「人や忘るる」は、「や」を四句と対にして、あの人が忘れるからかと問う。「忘るる」は連体形で結ぶ。四句と結句を同じ型で並べた対句である。
い:眠り、睡眠
いをぬ:眠る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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恋ふれども逢ふ夜のなきは忘れ草 夢路にさへや生ひ茂るらむ
- 次の歌
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唐土も夢に見しかば近かりき 思はぬ仲ぞはるけかりける