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来ぬ人を待つ夕暮れの秋風は
いかに吹けばかわびしかるらむ

歌の意味
来ない人を待つ夕暮れに吹く秋風は、いったいどのように吹くからこれほどわびしいのだろうか。
鑑賞
巻第十五 恋歌五 777

詞書「題しらず」
 来ない恋人を待つ夕暮れの秋風が、なぜこれほどわびしく感じられるのかと問う歌である。わびしさの原因は待つ心にあるとわかっていながら、それを風の吹き方のせいにして問う形に、やり場のない寂しさがにじむ。「秋」に「飽き」の響きを感じ取る読みもある。

 初句「来ぬ人を」は、来ない人をの意で、待つ相手が来ないことがはじめから前提となっている。
 二句「待つ夕暮れの」は、恋人の訪れを待つ時刻である夕暮れで、本巻の第七百七十二首とも通じる場面である。
 三句「秋風は」は、夕暮れに吹く秋風で、もの寂しさを誘う景物である。
 四句「いかに吹けばか」は、どのように吹くからかの意で、「か」は疑問の係助詞で結句の「らむ」で結ぶ。
 結句「わびしかるらむ」は、「わびし」がやるせない、心細いの意で、「らむ」は原因推量の連体形である。

わびし:やるせない、心細い
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
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