久しくもなりにけるかな住の江の
まつは苦しきものにぞありける
- 歌の意味
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ずいぶん長い時が経ってしまったことだ。住の江の松の名のように、待つというのは苦しいものであったのだ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 778
詞書「題しらず」
長い時を待ち続けた末に、待つことの苦しさを思い知ったと詠む歌である。長寿の象徴である住の江の松に「待つ」を掛け、松の久しさに待つ時間の長さを重ねている。次歌も住の江の松と「久し」を詠み、二首が同じ素材で並ぶ。
初句「久しくも」は、長い時間をいい、「も」は詠嘆を添える。次歌の二句「久に」と対応する。
二句「なりにけるかな」は、「にけるかな」が完了と詠嘆で、長くなってしまったことだと感慨をもらす。ここで句切れとなる。
三句「住の江の」は、摂津国の歌枕で、松の名所として知られた住吉の地である。
四句「まつは苦しき」は、「まつ」に住の江の「松」と、恋人を「待つ」を掛けた掛詞である。
結句「ものにぞありける」は、係助詞「ぞ」を「けり」の連体形「ける」で結び、待つことが苦しいものであったと気づいた詠嘆を示す。
すみのえ:摂津国の歌枕で、今の大阪市住吉区のあたり
まつ:住の江の「松」と、人を「待つ」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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来ぬ人を待つ夕暮れの秋風は いかに吹けばかわびしかるらむ
- 次の歌
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住の江のまつほど久になりぬれば 葦鶴の音になかぬ日はなし