水無瀬川ありて行く水なくはこそ
つひに我が身を絶えぬと思はめ
- 歌の意味
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水無瀬川は表に水が見えなくても、底を流れていく水がある。その水がなくなったならばこそ、ついに私たちの仲が絶えたと思いもしよう。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 793
詞書「題しらず」
表面には水がないように見えても、地下を水が流れ続けている水無瀬川にたとえ、目に見えなくても二人の縁はまだ続いていると自らに言い聞かせる歌である。前歌の水の泡に続いて水の歌が置かれ、関係の終わりを認めまいとする心が描かれる。本巻の第七百六十首と同じく水無瀬川を詠むが、ここでは浅さではなく、隠れて流れ続ける水として用いられている。
初句「水無瀬川」は、水が地下を流れて表に見えない川で、人目にはつかない関係のたとえとなる。
二句「ありて行く水」は、見えないながらも存在して流れていく水の意で、表に出なくとも続いている思いを示す。
三句「なくはこそ」は、「なくは」が仮定条件で、係助詞「こそ」は結句の已然形「め」で結ぶ。もしその水がなくなったならばの意となる。
四句「つひに我が身を」は、「つひに」が最後には、とうとうの意である。
結句「絶えぬと思はめ」は、「絶え」が水が絶える意と、仲が絶える意を重ねる。「め」は推量の「む」の已然形で、絶えたと思いもしようがの意となり、実際にはまだ絶えていないという思いを含む。
みなせがは:水が地下を流れて表面に水が見えない川、摂津国の歌枕とされる
たゆ:途絶える、切れる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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水の泡の消えてうき身と言ひながら 流れてなほも頼まるるかな
- 次の歌
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吉野川よしや人こそつらからめ はやく言ひてしことは忘れじ