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つれなきを今は恋ひじと思へども
心弱くも落つる涙か

歌の意味
冷淡な人を、今はもう恋い慕うまいと思うけれども、心弱くもこぼれ落ちる涙であることよ。
鑑賞
巻第十五 恋歌五 809

詞書「寛平御時后の宮の歌合の歌」
 宇多天皇の寛平年間に、后の宮である班子女王のもとで催された歌合に出された歌である。冷淡な相手をもう恋うまいと決意しても、心の弱さから涙がこぼれてしまうと、意志と感情の食い違いを詠んでいる。
 作者の「すかののたたおむ」は菅野忠臣である。伝は詳らかでない。

 初句「つれなきを」は、冷淡な人をの意で、恋い慕う対象となる相手を示す。
 二句「今は恋ひじと」は、「じ」が打消の意志で、今はもう恋い慕うまいの意となる。
 三句「思へども」は、「ども」が逆接で、そう思うけれどもの意となる。
 四句「心弱くも」は、心が弱いことにの意で、「も」は詠嘆を添える。
 結句「落つる涙か」は、「か」が詠嘆の終助詞で、こぼれ落ちる涙であることよと結ぶ。決意に反して流れる涙を見つめる。

うたあはせ:歌人を左右に分けて歌を詠み比べ、優劣を競う催し
作者
菅野忠臣
出典
古今和歌集
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あひ見ぬも憂きも我が身のから衣 思ひ知らずも解くる紐かな
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