荒磯海の浜の真砂と頼めしは
忘るることの数にぞありける
- 歌の意味
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荒磯の海の浜の砂の数ほど限りなく思うと、あの人が私を頼みにさせたのは、実は私を忘れることの数であったのだ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 818
詞書「題しらず」
浜の砂の数ほど限りなく思うと約束した相手の言葉は、実は忘れることの数の多さであったと皮肉を込めて嘆く歌である。数えきれない浜の真砂を愛情の深さのたとえから忘却の多さのたとえへと反転させ、裏切られた恋の苦さを表している。
初句「荒磯海の」は、荒い磯のある海の意で、六音の字余りの句である。
二句「浜の真砂と」は、浜の細かな砂の意で、数えきれないほど多いもののたとえとなる。
三句「頼めしは」は、「頼め」が下二段活用の「頼む」で当てにさせる意、「し」は過去の連体形で、頼みにさせたのはの意となる。
四句「忘るることの」は、私を忘れることの意で、真砂の数の意味を愛情から忘却へと反転させる。
結句「数にぞありける」は、係助詞「ぞ」を「けり」の連体形で結び、それは忘れることの数であったと気づく詠嘆で結ぶ。
ありそうみ:荒い磯のある海
まさご:細かい砂
たのむ:下二段活用で、当てにさせる、期待させる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
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荒小田を荒鋤き返し返しても 人の心を見てこそやまめ
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葦辺より雲居をさして行く雁の いや遠ざかる我が身悲しも