- 歌の意味
- 天の河は雲が水の流れとなって流れが早いので、光をとどめることなく月が流れてゆく。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌上 882
詞書「題しらず」
雲の間を足早に移ってゆく月を、天の河の早い流れに押し流される姿に見立てた歌である。雲を川の水脈とする大らかな見立てで、夜空の動きを生き生きととらえている。作者は未詳である。
初句「天の河」は、巻頭の第八百六十三首と同じく天の河を詠む。巻頭歌では舟の渡る川であったものが、本歌では月を押し流す川となっている。
二句「雲のみをにて」の「みを」は水脈、川の流れの筋のことで、雲を川の流れに見立てる。
三句「早ければ」は、順接確定の「ば」で、流れが早いのでと理由を示す。
四句「光とどめず」は、月の光が一か所にとどまらない様子をいう。
結句「月ぞ流るる」は、「ぞ」を受けて連体形「流るる」で結ぶ係り結びで、月が流されてゆく動きを印象づける。
みを:川や海の中で水が流れる筋、水脈
- 作者
- よみ人しらず
- 出典
- 古今和歌集
- 前の歌
- 二つなきものと思ひしを水底に 山の端ならで出づる月影
- 次の歌
- 飽かずして月の隠るる山本は あなた面ぞ恋しかりける