世の中に古りぬるものは津の国の
長柄の橋と我となりけり
- 歌の意味
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世の中で古びてしまったものといえば、摂津の国の長柄の橋と、この私であったよ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌上 890
詞書「題しらず」
世の中で古びたものの代表として、摂津国の長柄の橋と自分自身を並べた歌である。古いものの例として名高い長柄の橋と自分を同列に置くことで、老いの嘆きを自嘲をこめて詠んでいる。作者は未詳である。
長柄の橋は淀川の河口近くに架けられた橋で、古くから朽ちて失われたものとして知られ、『古今和歌集』の仮名序にもその名が見える。
初句「世の中に」は、世の中全体を見渡す広い視点を示す。
二句「古りぬるものは」は、完了の「ぬ」の連体形を用い、すっかり古びてしまったものはの意となる。
三句「津の国の」は、摂津国のことである。
四句「長柄の橋と」は、古いものの代表として名高い橋を挙げる。
結句「我となりけり」は、自分自身を長柄の橋と並べ、詠嘆の「けり」で結ぶ。意外な取り合わせに気づいた感慨を示す。
ふる:古くなる、年を取る
つのくに:摂津国
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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今こそあれ我も昔はをとこ山 さかゆく時もありこしものを
- 次の歌
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ささの葉に降り積む雪のうれを重み 本くたちゆく我が盛りはも