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ささの葉に降り積む雪のうれを重み
本くたちゆく我が盛りはも

歌の意味
笹の葉に降り積もる雪で、その先が重いので根元から傾いてゆくように、衰えてゆく私の盛りよ。
鑑賞
巻第十七 雑歌上 891

詞書「題しらず」
 笹の葉に降り積もった雪の重みで先がしなり、根元から傾いていく様子に、自分の盛りが衰えていく姿を重ねた歌である。雪の白さに白髪を思わせ、老いの訪れを静かに嘆いている。作者は未詳である。

 初句「ささの葉に」は、雪を受ける細くしなやかな笹の葉を示す。
 二句「降り積む雪の」は、年月の積み重なりを思わせ、雪の白さが白髪を連想させる。
 三句「うれを重み」は、「名詞+を+形容詞の語幹+み」の形で、枝先が重いのでの意となる。上三句が四句を導く序詞である。
 四句「本くたちゆく」の「くたつ」は、傾く、衰えるの意で、笹が根元から傾くことと盛りが衰えることを重ねる。
 結句「我が盛りはも」は、終助詞「はも」で詠嘆をこめて結ぶ。

うれ:草木の枝や葉の先、末
くたつ:傾く、衰える
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
前の歌
世の中に古りぬるものは津の国の 長柄の橋と我となりけり
次の歌
大荒木の森の下草老いぬれば 駒もすさめず刈る人もなし