大荒木の森の下草老いぬれば
駒もすさめず刈る人もなし
- 歌の意味
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大荒木の森の下草は、すっかり伸びて老いてしまったので、馬も好んで食べず、刈る人もいない。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌上 892
詞書「題しらず」
大荒木の森の下草が伸びきって固くなり、馬も食べず、刈る人もいなくなったと詠み、老いて人から顧みられなくなった身を喩えた歌である。作者は未詳である。
左注に「又は、さくらあさのをふのしたくさおいぬれは」とあり、上の句を「桜麻の苧生の下草老いぬれば」とする異伝がある。
なお本文の四句は「駒もすさめず」とあり、読み仮名の行の「こまもすさへす」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「大荒木の」は、山城国の大荒木の森を指す歌枕で、六音の字余りである。
二句「森の下草」は、森の木々の下に生える草で、人目につかない身を思わせる。
三句「老いぬれば」は、完了の「ぬ」の已然形に「ば」が付き、老いてしまったのでの意となる。草が伸びて固くなることを人の老いに重ねる。
四句「駒もすさめず」の「すさむ」は、好んで賞美する意で、馬さえ見向きもしないことをいう。
結句「刈る人もなし」は、「駒も」「人も」と「も」を重ね、誰からも顧みられない寂しさを強める。
すさむ:好んで賞美する、心を寄せる
こま:馬
したくさ:木の下に生える草
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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ささの葉に降り積む雪のうれを重み 本くたちゆく我が盛りはも
- 次の歌
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数ふればとまらぬものを年と言ひて 今年はいたく老いぞしにける