白雪の八重降りしけるかへる山
かへるがへるも老いにけるかな
- 歌の意味
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白雪が幾重にも降り積もっている越前の帰山、その名のように、返す返すも私は老いてしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌上 902
詞書「寛平御時后の宮の歌合の歌」
宇多天皇の時代に皇太后班子女王のもとで催された歌合で詠まれた歌である。白雪が幾重にも積もる越前の帰山を序とし、その雪の白さに白髪を重ねて、返す返すも老いてしまったと嘆いている。
作者の「在原むねやな」は在原棟梁である。在原業平の子で、筑前守などを務めた。歌人の在原元方の父にあたる。
初句「白雪の」は、雪の白さによって白髪を連想させる。
二句「八重降りしける」は、幾重にも降り敷いているの意で、積み重なった年齢を思わせる。
三句「かへる山」は、越前国の歌枕である帰山と、「かへる」を導く働きを兼ねる掛詞である。上三句が「かへるがへる」を導く序詞となる。
四句「かへるがへるも」は、返す返すもの意で、三句の「かへる山」を同音で繰り返す。
結句「老いにけるかな」は、本巻の第八百九十四首と同じ結句で、老いの歌群の中で響き合う。
かへるやま:越前国の山である帰山の意と、繰り返す意のかへるを掛ける
かへるがへる:繰り返し、返す返す
ふりしく:一面に降り積もる
- 作者
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在原棟梁
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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世の中にさらぬ別れのなくもがな 千代もと嘆く人の子のため
- 次の歌
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老いぬとてなどか我が身を責めきけむ 老いずは今日に会はましものか