清滝の瀬々の白糸繰りためて
山分け衣織りて着ましを
- 歌の意味
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清滝の川の瀬々を流れる白糸のような水を繰り集めて、山に分け入る時の衣を織って着たいものなのに。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌上 925
詞書「題しらず」
清滝川の瀬ごとに白く流れる水を白糸に見立て、それを糸車に繰り集めて、山に分け入る修行の衣を織って着たいと詠む歌である。清らかな流れを衣とする発想に、山に入る僧らしい清浄への願いがこめられている。
作者の「神たい法し」は、伝の詳らかでない僧である。
初句「清滝の」は、山城国の清滝川を指し、「清」の字が水の清らかさを印象づける。
二句「瀬々の白糸」は、瀬ごとに白く流れる水を白糸に見立てる。
三句「繰りためて」は、糸を繰って巻きためての意である。
四句「山分け衣」は、山に分け入る時に着る衣で、修行の衣を思わせる。
結句「織りて着ましを」は、反実仮想の「まし」に「を」が付き、織って着たいのにの意となる。「繰り」「織り」「着」は「糸」の縁語である。前歌の第九百二十四首が滝を布に見立てたのに対し、本歌は流れを糸に見立てて衣を織る。
せぜ:川のあちこちの浅瀬
くる:糸を巻き取る、繰る
やまわけごろも:山に分け入る時に着る衣
- 作者
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神退法師
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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誰がために引きてさらせる布なれや 世を経て見れど取る人もなき
- 次の歌
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裁ち縫はぬ衣着し人もなきものを なに山姫の布さらすらむ