よにふれば言の葉繁き呉竹の
憂きふしごとに鶯ぞなく
- 歌の意味
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この世に生きていると人のうわさが多い。葉の茂った呉竹の節ごとに鶯が鳴くように、つらいことがあるたびに私も泣いている。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 958
詞書「題しらず」
世に生きていると人の言葉がうるさく、つらいことがあるたびに泣けてくる心を、葉の茂る呉竹の節ごとに鶯が鳴く景に託した歌である。鶯の「鳴く」に自らの「泣く」を重ねている。
前歌の第九百五十七首と竹の縁語を共有して並べられ、「よにふれば」の初句は本巻の第九百五十一首と同じである。
作者は「読人しらず」とされ、名は伝わらない。
初句「よにふれば」は、世に生きていると、の意。「よ」に「世」と呉竹の「節(よ)」を掛ける掛詞である。本巻の第九百五十一首と同じ初句である。
二句「言の葉繁き」は、人の言葉、うわさが多い、の意。「葉」は呉竹の縁語で、葉が茂ることを重ねている。
三句「呉竹の」は、淡竹の異名とされる竹の、の意。二句から結句まで竹の縁語が連なっている。
四句「憂きふしごとに」は、つらい折ごとに、の意。「ふし」は竹の「節」と事の折の「ふし」を掛ける掛詞である。
結句「鶯ぞなく」は、鶯が鳴く、の意。「なく」は鶯が「鳴く」と作者が「泣く」を掛ける掛詞で、係助詞「ぞ」を受けて連体形で結ぶ。
よ:「世」と竹の「節(よ)」を掛ける
くれたけ:竹の一種。淡竹の異名とされる
ふし:竹の「節」と、事の折の意の「ふし」を掛ける
なく:鶯が「鳴く」と、人が「泣く」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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今更に何生ひ出づらむ竹の子の 憂きふし繁きよとは知らずや
- 次の歌
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木にもあらず草にもあらぬ竹のよの 端にわが身はなりぬべらなり