相坂の嵐の風は寒けれど
行方知らねばわびつつぞ寝る
- 歌の意味
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逢坂山の嵐の風は寒いけれども、行く先もわからないので、わびしく思いながらここで寝ることだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 988
詞書「題しらず」
逢坂の関のあたりで、寒い山風に吹かれながらも、行くあてもないのでわびしく旅寝をすると詠んだ歌である。行方の定まらない旅の身の心細さが表れている。
前歌の第九百八十七首の「行きとまるをぞ宿と定むる」を受けるように、行き着いた所で寝る旅の身を詠んでいる。次歌の第九百八十九首とは「行方」の語を共有している。
作者は「読人しらず」とされ、名は伝わらない。
初句「相坂の」は、近江と山城の境にある逢坂山の、の意。本文は「相坂」と表記する。
二句「嵐の風は」は、山から吹きおろす激しい風は、の意である。
三句「寒けれど」は、寒いけれども、の意である。
四句「行方知らねば」は、行く先がわからないので、の意。次歌の四句「行方も知らず」と響き合っている。
結句「わびつつぞ寝る」は、わびしく思いながら寝る、の意。係助詞「ぞ」を受けて連体形「寝る」で結ぶ。
あらし:山から吹きおろす激しい風
ゆくへ:行く先、行き着く所
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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世の中はいづれかさしてわがならむ 行きとまるをぞ宿と定むる
- 次の歌
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風の上にありか定めぬ塵の身は 行方も知らずなりぬべらなり