梅の花見にこそ来つれ鶯の
ひとくひとくと厭ひしもをる
- 歌の意味
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梅の花を見にこそ来たのに、鶯が「ひとく、ひとく(人が来る、人が来る)」と鳴いて、私をひどく嫌がっていることだ。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1011
詞書「題しらず」
本巻は長歌、旋頭歌、誹諧歌を収める雑体の巻であり、この歌から誹諧歌が始まる。誹諧歌とは、滑稽や機知、俗な言葉づかいを特色とする歌である。鶯の鳴き声を「ひとく」と聞きなし、それを「人来(人が来る)」と取りなして、花を見に来ただけなのに鶯に嫌がられていると戯れている。鳥の声の聞きなしを用いた、誹諧歌の巻頭にふさわしい軽妙な一首である。
作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。
初句「梅の花」は、鶯と取り合わせる春の代表的な景物である。
二句「見にこそ来つれ」は、「こそ」と已然形「つれ」の係り結びで、逆接的に下に続き、「見に来たのに」の意となる。
三句「鶯の」は、四句以下の主語を示す。
四句「ひとくひとくと」は、鶯の鳴き声の聞きなしに「人来」を掛ける掛詞である。
結句「厭ひしもをる」は、「し」「も」が強意の助詞で、ひたすら嫌がっているの意である。鶯が人を避けるさまを擬人化している。
ひとく:鶯の鳴き声を写した語と、「人来(人が来る)」を掛ける
いとふ:嫌がる、避ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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君が代にあふさか山の岩清水 木隠れたりと思ひけるかな
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山吹の花色衣主や誰 問へど答へずくちなしにして