睦言もまだ尽きなくに明けぬめり
いづらは秋の長してふ夜は
- 歌の意味
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睦言もまだ語り尽くさないうちに、夜が明けてしまったようだ。どこにあるのか、秋の長いという夜は。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1015
詞書「題しらず」
秋の夜は長いと言われるのに、恋人と語らう夜はあっという間に明けてしまうと、世間の言い草に異を唱えた機知の歌である。四句と結句を倒置し、「いづらは」と問い詰める口調に誹諧味がある。
作者の「凡河内みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、甲斐少目、和泉大掾などを歴任した。三十六歌仙の一人である。
初句「睦言も」は、男女が睦まじく語り合う言葉である。
二句「まだ尽きなくに」は、「なくに」が打消しを伴う逆接で、まだ尽きないのに、の意である。
三句「明けぬめり」は、「ぬ」が完了、「めり」が推定で、明けてしまったようだ、の意である。三句切れである。
四句「いづらは秋の」は、「いづら」がどこか、と問い詰める語である。
結句「長してふ夜は」は、「てふ」が「といふ」の約である。四句と結句で倒置になり、秋の長いという夜はどこにあるのか、と問う。
むつごと:親しく語り合う言葉、特に男女の語らい
いづら:どこ、どのあたり
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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いつしかとまたく心をはぎに上げて 天の河原を今日や渡らむ
- 次の歌
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秋の野になまめき立てる女郎花 あなかしかまし花もひと時