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花と見て折らむとすれば女郎花
うたたあるさまの名にこそありけれ

歌の意味
ただの花だと思って折ろうとすると、女郎花は、なんとも気のとがめるような名であったことだ。
鑑賞
巻第十九 雑体 1019

詞書「題しらず」
 花を手折ろうとしたとき、「女郎花」という名が、まるで女に手を出すかのようで気が引ける、と名にかこつけて戯れた歌である。女郎花の一連四首を締めくくる歌で、名そのものに着目して一連を落としている。
 作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。

 初句「花と見て」は、ただの花だと思って、の意である。
 二句「折らむとすれば」は、「む」が意志で、折り取ろうとすると、の意である。
 三句「女郎花」は、一連の四首目として同じ語を三句に置き、ここではその名に着目する。
 四句「うたたあるさまの」は、「うたたあり」が度を越して甚だしい、異様で気がとがめる、の意である。字余りである。
 結句「名にこそありけれ」は、「こそ」と已然形「けれ」の係り結びである。「けり」は今気づいた詠嘆を表す。

をる:花の枝を折り取る
うたたあり:度を越して甚だしい、気がとがめるほどである
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
前の歌
秋霧の晴れて曇れば女郎花 花の姿ぞ見え隠れする
次の歌
秋風にほころびぬらし藤袴 つづりさせてふきりぎりす鳴く