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石上古りにし恋の神さびて
たたるに我は寝ぞ寝かねつる

歌の意味
古くなってしまった恋が、年を経た神のように神さびて祟るので、私は眠ることもできずにいる。
鑑賞
巻第十九 雑体 1022

詞書「題しらず」
 長年の恋が古びて神のようになり、祟って眠らせてくれないと嘆く歌である。恋を神に見立て、「祟る」という大げさな語を用いた点に誹諧の趣がある。初句の「いそのかみ」と結句の「いぞ寝」が音の上で響き合う。
 作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。

 初句「石上」は、「ふる」にかかる枕詞である。石上神宮のある布留の地名による。
 二句「古りにし恋の」は、年を経て古くなってしまった恋の意である。
 三句「神さびて」は、古びて神々しくなる意で、恋を神に見立てる。
 四句「たたるに我は」は、神が祟るように恋が自分を苦しめることを言う。
 結句「寝ぞ寝かねつる」は、「寝(い)」が眠りの意で、「ぞ」と連体形「つる」の係り結びである。初句「いそのかみ」と音が響き合う。

かみさぶ:古びて神々しくなる
たたる:神仏や霊がわざわいをなす
い:眠り
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
前の歌
冬ながら春の隣の近ければ 中垣よりぞ花は散りける
次の歌
枕より後より恋の攻め来れば せむ方なみぞ床中にをる