あしひきの山田のそほづおのれさへ
我を欲してふうれはしきこと
- 歌の意味
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山あいの田の案山子よ、お前までが私を欲しいと言うとは、なんとも嘆かわしいことだ。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1027
詞書「題しらず」
言い寄る男を山田の案山子になぞらえ、案山子のような者にまで求愛されるとは嘆かわしい、と戯れた歌である。歌にはふさわしくない卑俗な「そほづ(案山子)」を持ち出した点が誹諧の趣となっている。
作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
二句「山田のそほづ」は、山あいの田に立つ案山子である。
三句「おのれさへ」は、「おのれ」が相手を見下して呼ぶ語、「さへ」が添加で、お前までも、の意である。
四句「我を欲してふ」は、私を欲しいと言う、の意で、「てふ」は「といふ」の約である。
結句「うれはしきこと」は、嘆かわしいことだ、の意で、体言止めである。
そほづ:案山子(かかし)
おのれ:お前。相手を見下して呼ぶ語
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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みみなしの山のくちなし得てしかな おもひの色の下染めにせむ
- 次の歌
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富士の嶺のならぬおもひに燃えば燃え 神だに消たぬむなし煙を