逢ひ見まくほしは数なくありながら
人につきなみ惑ひこそすれ
- 歌の意味
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逢いたいと思う気持ちは星の数ほど限りなくあるのに、あの人に近づく手だてがなく、月のない夜のように迷ってばかりいる。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1029
詞書「題しらず」
「欲し」に「星」、「付き無み」に「月無み」を掛け、星は数えきれないほどあるのに月のない闇夜で道に迷う、という夜空の景に恋の迷いを重ねた言葉遊びの歌である。次歌も同じく「月」と「付き」を掛けており、配列上呼応している。
作者の「きのありとも」は紀有朋である。紀友則の父で、宮内少輔などを務めた。
初句「逢ひ見まく」は、「まく」が推量の「む」のク語法で、逢うこと、の意である。
二句「ほしは数なく」は、「欲し」と「星」を掛ける掛詞である。
三句「ありながら」は、逆接で、あるのに、の意である。
四句「人につきなみ」は、取り付く手だてがないので、の意の「付き無み」と「月無み」を掛ける掛詞である。「み」は原因を表す。
結句「惑ひこそすれ」は、「こそ」と已然形「すれ」の係り結びである。月のない闇夜の迷いと恋の迷いを重ねる。
ほし:「欲し」と「星」を掛ける
つき:「付き(手がかり)」と「月」を掛ける
まどふ:迷う
- 作者
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紀有朋
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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富士の嶺のならぬおもひに燃えば燃え 神だに消たぬむなし煙を
- 次の歌
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人に逢はむつきのなきにはおもひおきて 胸はしり火に心焼けをり