思へどもなほ疎まれぬ春霞
かからぬ山もあらじと思へば
- 歌の意味
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心惹かれてはいても、やはり疎ましく思われてしまう。春霞のかからない山などないだろうと思うと。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1032
詞書「題しらず」
どの山にもかかる春霞を、誰にでも心を寄せる多情な人にたとえ、愛しく思いながらも疎ましい、と言う歌である。前歌と同じく「春霞」を詠むが、前歌が霞のたなびく野の若菜への憧れであるのに対し、本歌は霞そのものを多情な人に見立てて疎んでいる。
作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。
初句「思へども」は、心惹かれてはいるが、の意の逆接である。
二句「なほ疎まれぬ」は、「れ」が自発、「ぬ」が完了で、やはり疎ましく思われてしまう、の意である。二句切れである。
三句「春霞」は、前歌の初句と同じ語である。どの山にもかかる性質を多情な人にたとえる。
四句「かからぬ山も」は、霞のかからない山も、の意である。
結句「あらじと思へば」は、「じ」が打消推量で、ないだろうと思うので、と倒置で理由を述べる。
うとむ:嫌って遠ざける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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春霞たなびく野辺の若菜にも なり見てしかな人も摘むやと
- 次の歌
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春の野の茂き草葉の妻恋に 飛び立つ雉のほろろとぞ鳴く