- 歌の意味
- 私を思っていると言うあの人の心の隅々に、隠れていながら本心をのぞき見る方法があればよいのに。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1038
詞書「題しらず」
口では愛していると言う相手の本心を確かめたくて、その心の隅々に隠れてのぞき見たいという奇抜な願望を詠んだ歌である。心の奥を物陰の多い場所に見立てた発想に誹諧の趣がある。
作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。
初句「思ふてふ」は、「てふ」が「といふ」の約で、思っていると言う、の意である。
二句「人の心の」は、相手の心である。
三句「隈ごとに」は、「隈」が奥まった隅、物陰の意で、心を物陰の多い場所に見立てる。
四句「立ち隠れつつ」は、身を隠しながら、の意である。
結句「見るよしもがな」は、「よし」が方法、「もがな」が願望を表す。
くま:奥まった所、物陰
よし:方法、手だて
- 作者
- よみ人しらず
- 出典
- 古今和歌集
- 前の歌
- ことならば思はずとやは言ひ果てぬ なぞ世の中の玉だすきなる
- 次の歌
- 思へども思はずとのみ言ふなれば いなや思はじ思ふかひなし