思へども思はずとのみ言ふなれば
いなや思はじ思ふかひなし
- 歌の意味
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私が思っていても、あの人は私が思っていないとばかり言うようなので、いや、もう思うまい。思っても甲斐がない。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1039
詞書「題しらず」
一首の中で「思ふ」を五回重ね、思っても通じない恋の空しさを嘆く歌である。同じ語の反復が口ごもるような調子を生み、誹諧の趣となっている。前歌の「思ふてふ」から「思ふ」の語を受け継ぎ、次歌にも続いていく。
作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。
初句「思へども」は、私は思っているが、の意の逆接である。
二句「思はずとのみ」は、思っていないとばかり、の意である。
三句「言ふなれば」は、「なり」が伝聞推定で、言うようなので、の意である。
四句「いなや思はじ」は、「いなや」が否定の感動詞、「じ」が打消意志で、四句切れである。
結句「思ふかひなし」は、思っても甲斐がない、の意で、五つ目の「思ふ」で結ぶ。
かひ:効果、しるし
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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思ふてふ人の心の隈ごとに 立ち隠れつつ見るよしもがな
- 次の歌
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我をのみ思ふと言はばあるべきを いでや心は大幣にして