古典和歌stream

我を思ふ人を思はぬ報いにや
わが思ふ人の我を思はぬ

歌の意味
私を思ってくれる人を私が思わない、その報いなのだろうか。私が思う人が私を思ってくれないのは。
鑑賞
巻第十九 雑体 1041

詞書「題しらず」
 片思いの連鎖を因果応報で説明し、「思ふ」と「思はぬ」を対句的に並べた理屈の面白さが誹諧の趣となっている歌である。次歌はこの歌の理屈を受けて応じるように配列されている。
 作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。

 初句「我を思ふ」は、私を思ってくれる、の意である。字余りである。
 二句「人を思はぬ」は、その人を私が思わない、の意である。
 三句「報いにや」は、「や」が疑問の係助詞で、結句の連体形「思はぬ」と係り結びになる。三句切れで倒置となる。
 四句「わが思ふ人の」は、初句二句と対称的な構図をなす。
 結句「我を思はぬ」は、二句と同じ「思はぬ」で結び、対句的な響きを生む。

むくい:行いの結果として受ける報い
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
前の歌
我をのみ思ふと言はばあるべきを いでや心は大幣にして
次の歌
思ひけむ人をぞともに思はまし まさしや報いなかりけりやは