出でて行かむ人をとどめむよしなきに
隣の方に鼻もひぬかな
- 歌の意味
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出て行こうとする人を引き止める手だてもないのに、隣の方でくしゃみでもしてくれないものか。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1043
詞書「題しらず」
出立の際にくしゃみを聞くと縁起が悪いとして出発を見合わせる俗信があったことから、隣人のくしゃみにすがってでも、去って行く人を引き止めたいと願う歌である。くしゃみという卑俗な題材を持ち込んだ点が誹諧の趣となっている。
作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。
初句「出でて行かむ」は、出て行こうとする、の意で、字余りである。
二句「人をとどめむ」は、その人を引き止めようとする、の意である。
三句「よしなきに」は、手だてもないのに、の意である。
四句「隣の方に」は、隣家の方で、の意である。
結句「鼻もひぬかな」は、「鼻ひる」がくしゃみをする意で、「ぬかな」は、〜してくれないかなあ、という願望を表す。
はなひる:くしゃみをする
よし:方法、手だて
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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思ひけむ人をぞともに思はまし まさしや報いなかりけりやは
- 次の歌
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紅に染めし心も頼まれず 人をあくにはうつるてふなり