何かその名の立つことの惜しからむ
知りて惑ふは我ひとりかは
- 歌の意味
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どうしてその浮き名が立つことが惜しいだろうか。恋の道と知りながら迷うのは、私一人だろうか、いやそうではない。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1053
詞書「題しらず」
恋の噂が立つのを恐れる必要はない、分別がありながら恋に迷うのは自分一人ではないのだから、と開き直る歌である。反語を重ねて居直る口調に誹諧の趣がある。
作者の「おきかせ」は藤原興風である。藤原道成の子で、相模掾、下総権大掾などを務めた。琴にも優れ、三十六歌仙の一人である。
初句「何かその」は、「か」が反語の係助詞で、どうして、の意である。字余りである。
二句「名の立つことの」は、浮き名が立つことが、の意である。
三句「惜しからむ」は、「か」の結びで連体形「む」となる。三句切れである。
四句「知りて惑ふは」は、恋の道と知りながら迷うのは、の意である。
結句「我ひとりかは」は、「かは」が反語で、私一人だろうか、いやそうではない、の意である。
な:評判、浮き名
まどふ:迷う、思い乱れる
- 作者
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藤原興風
- 出典
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古今和歌集
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まめなれど何ぞはよけくかるかやの 乱れてあれど悪しけくもなし
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よそながらわが身にいとのよるといへば ただいつはりにすぐばかりなり