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よそながらわが身にいとのよるといへば
ただいつはりにすぐばかりなり

歌の意味
何の関わりもないのに、いとこの男が私に寄っているなどと人が言うので、糸を縒ると言われても、ただ偽りとして聞き過ごすばかりだ。
鑑賞
巻第十九 雑体 1054

詞書「いとこなりける男によそへて人の言ひければ」
 いとこの男と恋仲であるかのように噂されたのに対し、それを否定した歌である。「いと」に「糸」と「いとこ」、「よる」に糸を「縒る」と男が「寄る」、「すぐ」に糸を針に「挿ぐ(通す)」と「過ぐ」を掛け、糸の縁語でまとめた機知が誹諧の趣となっている。
 作者の「くそ」は久曽である。伝は詳らかでない。

 初句「よそながら」は、無関係でありながら、の意である。
 二句「わが身にいとの」は、「糸」と「いとこ」を掛ける掛詞である。
 三句「よるといへば」は、糸を「縒る」と、男が「寄る」を掛ける掛詞である。字余りである。
 四句「ただいつはりに」は、ただ偽りとして、の意である。
 結句「すぐばかりなり」は、糸を針に「挿ぐ(通す)」と、聞き「過ぐ」を掛ける掛詞である。糸、縒る、すぐは縁語となっている。

いと:「糸」と「いとこ」を掛ける
よる:糸を「縒る」と、人が「寄る」を掛ける
すぐ:糸を針に「挿ぐ(通す)」と、「過ぐ」を掛ける
よそふ:なぞらえる、関係づける
作者
久曽
出典
古今和歌集
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何かその名の立つことの惜しからむ 知りて惑ふは我ひとりかは
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