宵の間に出でて入りぬる三日月の
われて物思ふころにもあるかな
- 歌の意味
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宵のうちに出てすぐ沈んでしまう三日月が割れたような形をしているように、心も砕けて物思いをするこの頃であることよ。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1059
詞書「題しらず」
割れたような形の三日月から、心が砕けるほどの物思いを導いた歌である。初句から三句までが「われて」を導く序詞となっている。月の形を心の乱れに結び付けた見立てに誹諧の趣がある。
作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。
初句「宵の間に」は、日が暮れて間もない頃に、の意である。
二句「出でて入りぬる」は、三日月が宵のうちに出て、すぐ沈むさまを言う。
三句「三日月の」は、初句から三句までが、四句の「われて」を導く序詞となる。
四句「われて物思ふ」は、三日月の割れたような形と、心が砕けて乱れるさまを掛ける掛詞である。字余りである。
結句「ころにもあるかな」は、「かな」が詠嘆で、そういう頃であることよ、の意である。字余りである。
よひ:日が暮れて間もない頃
わる:月が欠けて割れた形である意と、心が砕けて乱れる意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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人恋ふることを重荷と担ひもて あふごなきこそわびしかりけれ
- 次の歌
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そゑにとてとすればかかりかくすれば あな言ひ知らずあふさきるさに