世の中の憂きたびごとに身を投げば
深き谷こそ浅くなりなめ
- 歌の意味
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世の中のつらいことがあるたびに身を投げていたら、深い谷もきっと浅くなってしまうだろう。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1061
詞書「題しらず」
世の憂さに身を投げたいと思う人の多さを、谷が埋まって浅くなるだろうと誇張して言う歌である。厭世の思いを大げさな誇張で笑いに転じた点が誹諧の趣となっている。
作者は不明で、「よみ人しらず」とされている。
初句「世の中の」は、次歌の初句「世の中は」と同じ語で始まり、配列上続いている。
二句「憂きたびごとに」は、つらいことがあるたびに、の意である。
三句「身を投げば」は、仮定条件で、身を投げたならば、の意である。
四句「深き谷こそ」は、「こそ」が係助詞で、結句の已然形「め」と係り結びになる。
結句「浅くなりなめ」は、「な」が強意、「め」が推量で、浅くなってしまうだろう、の意である。四句の「深き」と対比される。
たび:折、その時ごと
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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そゑにとてとすればかかりかくすれば あな言ひ知らずあふさきるさに
- 次の歌
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世の中はいかに苦しと思ふらむ ここらの人に恨みらるれば