身は捨てつ心をだにもはふらさじ
つひにはいかがなると知るべく
- 歌の意味
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身はもう捨ててしまった。せめて心だけでも放り出すまい。最後にはどうなるのかを見届けられるように。
- 鑑賞
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巻第十九 雑体 1064
詞書「題しらず」
身を捨てた者が、心だけは手放さず、自分の行く末を見届けようとする歌である。身と心を分けて考える理屈めいた発想が誹諧とされる。
作者の「おきかせ」は藤原興風である。藤原道成の子で、相模掾、下総権大掾などを務めた。琴にも優れ、三十六歌仙の一人である。
初句「身は捨てつ」は、「つ」が完了で、身はもう捨ててしまった、の意である。初句切れである。
二句「心をだにも」は、「だに」が最小限の限定で、せめて心だけでも、の意である。
三句「はふらさじ」は、「はふらす」が放り出す、さまよわせる意で、「じ」が打消意志である。
四句「つひにはいかが」は、最後にはどのように、の意である。
結句「なると知るべく」は、なるのかを知ることができるように、の意で、倒置で三句に続く。
はふらす:放り出す、さまよわせる
- 作者
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藤原興風
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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何をして身のいたづらに老いぬらむ 年の思はむことぞやさしき
- 次の歌
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白雪のともにわが身はふりぬれど 心は消えぬものにぞありける