しもとゆふ葛城山に降る雪の
間なく時なく思ほゆるかな
- 歌の意味
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葛城山に降る雪のように、絶え間なくいつも思われてならないことだ。
- 鑑賞
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巻第二十 大歌所御歌 1070
詞書「大歌所御歌 古き大和舞の歌」
葛城山に絶え間なく降る雪を引き合いに、ひたすら思いが続くことを歌う。大和舞は大和国に伝わる舞で、大嘗会や鎮魂祭などで奏された。古い歌謡らしい素朴な序詞の構成をもつ。作者は記されていない。
大歌所は、宮中の節会や神事で歌われる大歌(宮廷歌謡)を教習し管理した役所である。古今和歌集の巻二十はその歌を集めた巻で、大歌所御歌、神遊びの歌、東歌の順に並ぶ。
初句「しもとゆふ」は、「葛城」にかかる枕詞である。しもと(細い若枝)を葛(かずら)で結うことから、「かづら」の音を導く。
二句「葛城山に」は、大和と河内の境にそびえる山を示し、大和の舞の歌にふさわしい土地の名を置く。
三句「降る雪の」までの上の句は、「間なく時なく」を導く序詞である。「の」は比喩を表し、降りしきる雪のようにの意となる。
四句「間なく時なく」は、絶え間もなく、いつということもなくの意で、同じ形の語を重ねて切れ目のなさを強める。
結句「思ほゆるかな」は、自然と思われることだの意で、「かな」は詠嘆を表す。思う相手は明示されず、歌謡として広く歌える形をとる。
しもと:細く伸びた若い枝
おもほゆ:自然に思われる
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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新しき年の始めにかくしこそ 千年をかねて楽しきを積め
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近江より朝立ち来ればうねの野に 鶴ぞ鳴くなる明けぬこの夜は