ささのくま檜隈川に駒止めて
しばし水飼へかげをだに見む
- 歌の意味
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檜隈川に馬を止めて、しばらく水を飲ませておくれ。せめてその姿だけでも見ていよう。
- 鑑賞
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巻第二十 大歌所御歌 1080
詞書「神遊びの歌 ひるめの歌」
川辺に馬を止めて水を飲ませる間だけでも、去ってゆく人の姿を見ていたいと願う。ひるめの歌は日の神である大日孁貴にちなむ神楽歌とされ、別れを惜しむ心を歌謡の形で伝える。作者は記されていない。
万葉集の巻十二に「さ檜隈檜隈川に馬止め馬に水飼へ我外に見む」とあり、これが神楽歌として伝えられたものである。
初句「ささのくま」は、「檜隈」にかかる枕詞である。「くま」の音を重ねて地名を導く。
二句「檜隈川に」は、大和国高市郡の檜隈を流れる川で、現在の奈良県明日香村付近にあたる。
三句「駒止めて」は、馬を止めての意で、旅立つ人を呼び止める。
四句「しばし水飼へ」は、しばらく馬に水を飲ませよの意で、命令形で相手に呼びかける。四句切れである。
結句「かげをだに見む」は、せめて姿だけでも見ようの意で、「だに」は最小限の願いを表し、「む」は意志を表す。「かげ」は姿、面影の意である。
こま:馬
みづかふ:馬などに水を飲ませる
かげ:姿、面影
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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我が門の板井の清水里遠み 人し汲まねば水草生ひにけり
- 次の歌
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青柳を片糸に縒りて鶯の 縫ふてふ笠は梅の花笠