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青柳を片糸に縒りて鶯の
縫ふてふ笠は梅の花笠

歌の意味
青柳の枝を片糸にして縒り、鶯が縫うという笠は、梅の花の笠である。
鑑賞
巻第二十 大歌所御歌 1081

詞書「神遊びの歌 返し物の歌」
 鶯が青柳の枝を糸にして梅の花の笠を縫うという、春の景を見立てた楽しい歌である。柳の枝の間を飛び交い梅の花に宿る鶯の姿を、裁縫に見立てて描く。作者は記されていない。
 返し物の歌は、神楽の中で調子を変えて歌われた歌をいうとされる。本巻の第千八十一首から第千八十六首までの一連で、第千八十二首以降の五首には、大嘗会で諸国から奉られた歌であることを示す左注が付く。
 催馬楽の「青柳」に「青柳を片糸に縒りて 鶯の縫ふといふ笠は 梅の花笠」とあり、宮廷歌謡として広く歌われた歌である。

 初句「青柳を」は、芽吹いた柳の細い枝を示し、糸に見立てる素材を示す。
 二句「片糸に縒りて」は、片糸(撚り合わせる前の一本の糸)として縒っての意で、柳の枝を糸に見立てる。二句は字余りである。
 三句「鶯の」は、縫う主体を示し、鶯を縫い手に見立てる擬人である。
 四句「縫ふてふ笠は」は、縫うという笠はの意で、「てふ」は「といふ」がつづまった形で伝聞を表す。
 結句「梅の花笠」は、梅の花を笠に見立てたもので、体言止めで見立ての種明かしをして結ぶ。

かたいと:撚り合わせる前の一本の糸
よる:糸などをねじり合わせる
はながさ:花で作った笠。また花を笠に見立てたもの
出典
古今和歌集
前の歌
ささのくま檜隈川に駒止めて しばし水飼へかげをだに見む
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真金吹く吉備の中山帯にせる 細谷川の音のさやけさ