- 歌の意味
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いとしい夫を都へ送り出して、塩竈の籬の島の松ではないが、待つことが恋しくつらいことだ。
- 鑑賞
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巻第二十 大歌所御歌 1089
詞書は前の歌に続き「東歌 陸奥歌」
夫を都へ送り出した女が、塩竈の籬の島の松にことよせて、帰りを待つ恋しさを歌う。都と陸奥との遠い隔たりが、待つ思いをいっそう切なくしている。作者は記されていない。
陸奥歌は、東歌のうち陸奥国(現在の東北地方)の風俗歌で、本巻の第千八十七首から第千九十三首までの七首がこの一連をなす。宮廷に取り入れられた地方の歌謡である。
初句「我が背子を」は、いとしい夫をの意で、「背子」は女性が夫や恋人を親しんで呼ぶ語である。
二句「都にやりて」は、都へ行かせての意で、夫が都へ上った事情を示す。
三句「塩竈の」は、前歌の第千八十八首と同じく三句に塩竈の地名を置き、陸奥の名所を続けて詠む。
四句「籬の島の」は、塩竈の浦に浮かぶ小島で、籬が島と呼ばれる。上の句から続く「塩竈の籬の島の」までが「まつ」を導く。
結句「まつぞ恋しき」は、「まつ」に島の松と夫を待つの意を掛ける掛詞である。係助詞「ぞ」を受けて連体形「恋しき」で結ぶ。
せこ:女性が夫や恋人を親しんで呼ぶ語
まがき:竹や柴で目を粗く編んだ垣
まつ:島の松の意と、夫の帰りを待つ意を掛ける
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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陸奥はいづくはあれど塩竈の 浦漕ぐ舟の綱手かなしも
- 次の歌
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小黒崎美豆の小島の人ならば 都のつとにいざと言はましを