小黒崎美豆の小島の人ならば
都のつとにいざと言はましを
- 歌の意味
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小黒崎や美豆の小島が人であったなら、都へのみやげに、さあ一緒に行こうと誘うのだが。
- 鑑賞
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巻第二十 大歌所御歌 1090
詞書は前の歌に続き「東歌 陸奥歌」
美しい景勝の地が人であったなら、都へのみやげとして連れて行きたいのにと、土地の景をたたえる。景色を人に見立てて持ち帰れないことを惜しむ、機知のある歌である。作者は記されていない。
陸奥歌は、東歌のうち陸奥国(現在の東北地方)の風俗歌で、本巻の第千八十七首から第千九十三首までの七首がこの一連をなす。宮廷に取り入れられた地方の歌謡である。
伊勢物語の第十四段には「栗原のあねはの松の人ならば都のつとにいざと言はましを」とあり、下の句が同じ形で用いられている。
初句「小黒崎」は、陸奥国の地名で、現在の宮城県大崎市鳴子のあたりとされる。原文の仮名は「をくろさき」である。
二句「美豆の小島の」は、小黒崎の近くの川中の小島とされ、景勝の地として並べて挙げる。
三句「人ならば」は、人であったならばの意で、事実に反する仮定を示す。
四句「都のつとに」は、都へのみやげにの意である。
結句「いざと言はましを」は、さあ一緒にと誘うのだがの意で、「まし」は反実仮想、「を」は詠嘆をこめた逆接の余情を表す。
つと:みやげ
- 出典
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古今和歌集
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我が背子を都にやりて塩竈の 籬の島のまつぞ恋しき
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みさぶらひ御笠と申せ宮城野の 木の下露は雨にまされり